【 依田九段、「現在」の仕掛け 】
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えと。
今回の本因坊戦に興味のないフリをしていた私ではございます。ただ、この第四局、渋くなかったですか~。いかにも高尾本因坊の「らしさ」が出ていたようで。
例えば左の図ですよ。上は序盤早々の趣向。右上隅って、確かに黒からの「打ち方」が難しいところ。コスミじゃあ馬鹿みたいだし、トビ下がったりするのもなんか屈服感満点だし、だからと言ってツケるわけにもいかない。
だからこのハザマに飛んだ手は面白い趣向で「へ~、さすが依田先生」みたいな感じ。実戦のように白に一回押させて黒引いておけば黒はオサマリ形で、右辺にも好形に(まだ誰も打ってないから好形ってのはなんだけど)なる。「白のオシは黒の注文かなあ」と。
でも(^^)。
こういう「現在」を目的にする「注文」は、どんどんきいちゃうのが高尾本因坊の「らしさ」。「押して引いて黒の注文?」と思っても「そんな相場」なら「注文を外そう」とかせずに「そもそもこんなもんだったじゃない」と言い切ってしまう。私は高尾本因坊のそういうところが大好きなのでした。
下の図も。
今度は左下隅で黒が趣向を見せたところ。方向的には「ここしかない」ところで、私はたいていA。相手のことが嫌いで(笑)、「それでまとめてみろよ、おらっ」という気分のときはB^^。でもどう打ってもこの後の進行ってのは決まり切ってる感じで、「現在」、すぐに黒が良くなったりしない。
そこで見せてくれたのが依田先生のオオゲイマという趣向。
でもこの趣向は、結局下辺を白地にして、左下隅では一手手を戻さなくちゃいけないという結果になった。詳細は棋譜を見てもらいたいんですけど、ここでの黒の一手手戻しと、白が84で継ぎに戻った手。これって似ているようでぜんぜん意味の違う「戻り」ですよね。
即ち黒の手戻しは「そこにないと打てない」という、「現在」の趣向に引きずられてしまった「現在」の処置。一方白84の継ぎは「ここからどうなるにしてもここを継いでおけばいずれご馳走は自分の前に並べられるのだ」という「未来」への投資。
こういうのがね。ほんと、好きなんです。
さらには。上の図で、「現在」的に黒が満足した「趣向」。ここもこの後中央のせめぎ合いになったときに「ほら、注文に乗って並んでおいたのが、今になって白に役だっていませんか?」って展開になってくる。
うう。痺れるなあ。
とくに名を秘すある棋士がね。「そのうち高尾さんが全部タイトル獲っちゃうんじゃないの?」なんてことを言ってました。
他にも好きな棋士がたくさんいるから、全部獲られちゃうとアレなんだけど^^。でもこういう「高尾の碁」を見せられると、ほんとに嬉しくなっちゃうんですよね。
# 弱い奴の感想ですから的はずれの場合があります(^^)。
# そういうときは「優しく」(笑)教えて頂けると嬉しいです(^~^)