前日に「お友達」らしい潘善琪七段とNEC杯を打った高尾本因坊の大盤解説。絶対に飲んできているに違いないぞという噂が流れr中、いつもよりちょっと色黒モードで登場した本因坊(笑)。あれは「夏」による黒さなのかそれとも…^^。
まあともかく無事に大盤解説会。
「う~ん、左下は手順をを変えてみると、白が抜かれている分黒が明らかに良いということになるんでしょう」という解説から開始。
手がやや進んだ下辺での進行(棋譜は日本棋院ネット対局場にあります)。「う~ん、このツケは格好良いですね」と高尾本因坊。「ツケには伸びるくらいですから、それからAと出て行けば、石を裂いていることになりますね。こういう『調子』をぜひみなさんにも勉強して貰いたい」。
そう言ったあと、ちょっと考え込む本因坊。「う~ん、一緒かなあ」と。つまり黒Aには白Bくらい。それから付けても結局同じ形になる。「でも。ツケから行く方が絶対強そうですよね。相手にビビリが入ります。そういうのが大事なんですよ」。
そうそう。そういうの、大事だよな^^。
さらにこの下辺から中央一帯の一連の動き。黒39の並び(12の四)を「ここはこんなに力を溜めるところではないのでは?」と疑問を呈した本因坊。しかし白40のカカリ(17の十四)に手抜いて中央に襲いかかった黒を見て「なるほど、これなら先の並びは悪い手ではありません」。
「そもそも瀧澤さんはごつい人なんですよ」と本因坊。当然碁の話だと思って聞いていると「彼は対局中、2リットルのペットボトルを置いて打つんですよねえ」と身体の話。一度打ったことがあるらしいんだけど「実はそれしか覚えていません」。
そんな話をしているときに飛び出したのが洪さんのダブルツケコシ。
「ツケコシ連打はちょっとまいりましたね。ここで白の注文にはまるのはいやですねえ」と検討する本因坊。実戦は結局白の注文に乗ったわけですが、なんとか打開する方法はないかと検討。
「Aに継ぐのはどうでしょうね? でもBが利いているところでAと継ぐのは変なんでしょうねえ」。
「ああ、そう言えば利いてるところを継ぐのは変だってよく言われるよなあ」と会場が納得しかけたその刹那。「ぼくはこういうところ馬鹿みたいに継いでいるのが好きなんですけどね」と本因坊。
ああ、そうだよ。高尾本因坊は絶対そうだよと客席はより強く納得^^。
まあ結局。ここで黒にうまい手がなく、白の注文通りの展開になって「これは白がうまくやったんでしょう」ということで会場全体が白モチ。そして白優勢のままヨセに入ると「ま、ぼくはヨセは嫌いですから」と言いながら大いに雑談モード。
「う~ん、雑談ばかりしててもなんですから数えてみましょう」と数えて「意外に細かいけどやっぱり白」。でも気になるからまた目算してみますと言って数えると「結構細かいですね」。「黒も結構頑張ったんですねえ」と言いつつ「では本気の目算をやってみます」と「ここは十二目と半目と三分の一目が」と言ってると聞き手の向井初段が「先生、もうわからなくなりました!」。
う~ん、向井さん、そうなんですか~。ところで王銘エン先生の『王銘〓これを伝えたい〈1〉ヨセ・絶対計算―あなたは「一目」を理解していますか? (MYCOM囲碁BOOKSシリーズ)』は読みましたかと話を振りつつ本因坊。
あの本ねえ、難しかったけど頭を痛めながら読破したんですよ、と。そして「これは素晴らしい」と、ヨセの問題を王銘エン先生に持っていって見た。
「先生。先生の理論ではこのヨセの大きさをどう判断するのでしょうか。どちらが大きいのでしょう?」と問うてみた。それに対する王銘エン先生の解答は「う~ん、見た目、右が大きい」。「ぼく、それを聞いてがっかりしちゃいました」^^。
そんな話を挟みつつ。何度目かの「本気の目算」を経て「半目みたいになってきてるけど、白かな」ムード。でも最後に0目計算していたところに黒地が付いてしまって「ああ、こんなところに地が付くのか。こんなところ見てなかったなんてなんて相当馬鹿です」ということで黒の逆転勝ち。
「なんかお二人ともぼくの何倍もヨセがうまいですね」と締めくくり(笑)。
この前も書いたけど、「一気に駆け上った」高尾名人・本因坊の解説をあまり聞いたことがない。でも先日の大和証券レディースでのゲスト出演時解説は結構面白かった。その再現を期待して解説を聞いていたのですが、期待が裏切られることはありませんでした^^。
終わってみれば「雑談会」の印象が強く残った人もいるかもしれないけど、手どころでの「解説」は面白かったですよね(^^)。