ただ、昨日。昨日は石倉先生としばらくの時をご一緒させて頂きました。で、石倉昇九段と言えばぜひ問うてみたいのが「とある手を見て泣き出した」という「石倉伝説」。
ご存じない方のために書いておきます。
石倉昇九段と言うと東大出身。東大出身でかつ一度は大企業に就職された先生。だけど棋士への夢捨てられず棋士になられた異色の経歴を持つ方です。そういう経歴を持つ先生なので、アマの気持ちがよくわかると言われ、「ヒカルの碁」に出てくる「白川道夫」先生のモデルでもあります。
こういう出自ですから、「幼少の頃から囲碁一本」の棋士とは「碁自体」に違いがあるんじゃないかと思われていたりして、それがために生まれたのかと思っていたのが「石倉伝説」。
伝説とはこういう話。
ある日、石倉昇九段が女流棋士相手に誰かの碁を検討していました。そしてある着手を見たときに石倉九段が突然泣き出してしまったのです。どうしたのかと見ている人がおろおろしていると石倉先生。「ぼくにはこういう手は打てない」とおっしゃるのです。「ぼくはいつも、どうしてこの手が必然なのか、その手にどれだけの大きさなのか、計算しながら打っている」。
うん、石倉先生ならさもありなん。でも石倉伝説の先生は、ある手を示しながら続けて言います。
「この手だよ。この手は凄い。こういう手は計算からは出てこない。ぼくにはこういう手が打てないんだ。計算でしか打てないぼくにはこういう手がどうしても打てないんだ」。
そう言って先生が泣いたと言うのです。伝説はまだ終わりません。
石倉先生がそうやって、ある「手」を見て泣いた後日。とある偉い先生がその話を耳にしたらしいのです。その「偉い先生」は、その「泣いた石倉先生」の話を聞いてなんと言ったと思います?
「そうやって泣けるってことは石倉くんもまだ捨てたもんじゃない」。
すごくよくできた話でしょう? 石倉先生と他の棋士の「関係」をうまく表現している話だと思いました。まあうまく「できすぎて」いるから、私は都市伝説だと思ってた。
この石倉伝説自体良い話だし、そして話が長くなっちゃったので、私が「先生っ。石倉伝説の真相はっ?!」と突っ込んだ話はまた別の記事とさせて頂きます^^。
